白く塗り潰された視界の端で、何かかが爆発するように弾けた気がした。けれど、振り返ってもそこには何も残っていない。ただ、冷え切った空気と不気味なほどの静寂が残されているだけだった。
鼓膜の奥で微かなノイズが鳴り続けている。それは言葉になる手前で途切れたシグナルのように、意味を持たない波形となって私の中に侵入してくる。
「聞こえている?」
誰かがそう問いかけたような気がした。問いかけられた声はあまりにも小さく、透明で、すぐに灰色の残響の中に飲み込まれて消えていった。
・・・
歪んだ輪郭をなぞる。指先に触れた感覚は冷たく、まるでガラスの破片を触っているかのようだった。少しだけ力を込めると、指先からわずかな赤が滲み出る。
その鮮烈な赤だけが、この色を失った世界の中で唯一、自分が生きていることを証明する信号のように思えた。
言葉はいらなかった。いや、最初から届けるための言葉など持ち合わせてはいなかったのかもしれない。ただ静かに、信号が途絶えるその瞬間を待っていた。
後記
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